骨型アルカリホスファターゼは、リン酸化合物を分解する酵素のアルカリホスファターゼの一種です。検査では血中濃度が調べられ、一般的にはBAPと表記されます。

骨型アルカリホスファターゼは骨芽細胞という骨を作る細胞に多く存在するため、骨を作る力を反映します（骨形成マーカー）。骨に異常を生じる病気によって血中濃度が上昇し、逆に骨を作る力が弱くなった場合には低下します。

骨を形成する骨芽細胞から分泌される蛋白質です。代謝調節および骨形成促進性に働くものと考えられます。また、骨の石灰化とカルシウムイオンの恒常性維持に関与します。

コラーゲンなどと共に骨の構造を支える支柱としての役割を果たしますが、一部は血液に放出されて全身の臓器に影響を与えます。糖質や脂質の代謝に影響を及ぼすと考えられています。

オステオカルシンはすい臓に直接働きかけ、インスリンの分泌を促す作用もあるため、オステオカルシンの働きを調節することで、糖尿病や肥満などのメタボリックシンドロームの予防や治療につなげる研究も進められています。

中空で長い骨を指します。四肢を構成する上腕骨や大腿骨が代表的な長骨です。中央部の骨幹と両端部の骨端から構成され、中央の空洞は骨髄が入っています。両端のふくらみは骨端軟骨と呼ばれます。骨端軟骨は表面に付着した軟骨で、隣接した骨との間で関節の表面を形成し、広範囲の動きを可能とします。

円柱状や立方体上の骨で、手首（から先）や足、脊柱後部などに存在します。短骨は非常に強い圧力にも耐える事が出来、その多くは複数の関節表面、関節、靭帯によって支えられる為、構造物に対する適切な柔軟性を形成します。

骨端線-成長軟骨板の断面イメージです。成長軟骨板とは長骨の骨幹端と骨端の間にある円盤状の軟骨です。成長する間、成長軟骨版は徐々に骨化していくと共に段々と薄くなっていきます。時間がたち、思春期が始まると性ホルモンの分泌が始まり、軟骨組織が隙間を広げながら骨組織への変化していき、すべての骨化が終了すると成長する余地がなくなります。

カルシウムは銀白色の結晶の金属元素であり、非常に化合しやすい物質です。例として、動物の骨、貝殻、卵の殻は炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどで出来ています。カルシウムは人体の定在元素であり、5番目に多く含まれる元素です。
人体でのカルシウムの役割:
1. 人体の骨格を構成し体を支えると共に、筋肉が収縮する際の支点となります。
2. 血球内で心拍数の安定、筋肉の収縮、血液の凝固、細胞の接着の重要な役割を果たします。
残念ながら、人体自身で合成する事は出来ず摂取しなければなりません。

鉄は人体内の微量元素の中で5番目に多い元素です。
この物質はヘモグロビン、染色体、酵素の生成に必要であり、また、酸素を運ぶ機能をもっています。鉄不足は貧血、酸素運搬機能の低下、組織低酸素や病気の原因ともなります。健康な成人は体内におおよそ3-5グラムの鉄を持ち、健康な幼児は500ミリグラムを体内にもっています。

亜鉛は人体構成にとって重要な微量元素であり、人体中のさまざまな酵素を活性化させる役割をもっています。主要な役割はタンパク質の合成や骨の発育など。新陳代謝を良くし、免疫力を高めてくれます。
亜鉛不足は下記の様な症状を引き起こす場合があります:
1.味覚障害
2. 異食症、炭、土、爪、石膏など
3. 小人症
4. 傷の治りが遅い
5. 第二次性徴期の発育不全
6. 女性の月経痛や無月経
7. 精子運動率と不妊症

セレンは人体の必須微量元素のひとつです。セレンはカルシウムを運搬する役割を持ち、骨にカルシウムを定着させます。また、セレンは存在的なフリーラジカル物質を中和するグルタチオンペルオキシダーゼの様な抗酸化酵素を活性化させます。セレンは筋肉（心臓を含む）を健康に保つ為、必要な物質であり、視力、肌、髪の健康を保つ効果があります。
人体でセレンが不足すると、さまざまな症状が現れます。筋肉痛, 筋炎, 心筋脂肪化（脂肪蓄積心筋？）、 ケシャン症、溶血性貧血、骨変化 (カシン-ベック病)など。また、白血球の殺菌能力や細胞性免疫機能も減少します。

ほぼ全ての食品はリンを含みます。食事から十分なリンを摂取できるので、サプリメントは不要です。リンの過剰摂取はミネラルバランスを崩し、カルシウム不足を引き起こします。特に40歳以上の方の場合、腎臓が過剰摂取したリンを排出できなくなり、カルシウム不足となるのです。そこで、肉類の摂取を減らし牛乳と野菜類をより多く摂取することが必要です。
血中内のリンが多すぎるとカルシウムの濃度が低下し、低カルシウム血症を発症する場合があります。低カルシウム血症の症状は、神経興奮性, テタニー（強直） や痙攣などです。兆候としては、1. 骨が脆くなる、 2. 虫歯、 3. カルシウム不足から発生する様々な症状がより明白になる、 4. 神経衰弱、 5. 様々なミネラルバランスが崩れるというものです。

カリウム は生物にとって重要な電解質であり、人体における必須多量栄養素です。主に体内の細胞に蓄えられます。成人の体内にあるカリウムの量はおおよそ150 グラムで、主な機能は細胞内液の浸透圧の調整、酸塩基平衡の調整、 神経の伝達作用があります。代謝に重要な役割を持ち、人体の細胞の構造を並びに機能を保ちます。人体の神経並びに筋肉に伝達作用を向上させ、血圧を下げ、筋肉や神経の働き、特に心臓の動きを正常化させます。
通常、血清カリウム値は3.5 ～ 5.5 mmol / リットルで、カリウム濃度が3.5 mmol / リットルより低くなると低カリウム血症の症状が現れます。最も目立つ低カリウム血症の症状は神経筋の弛緩や麻痺による四肢の痺れ、特に足に起こります。これはカリウム不足からくる弛緩麻痺と呼ばれます。通常、下肢、得に四頭筋（大腿四頭筋）から始まり、脱力感や立つ事が難しくなったり、階段の上り下りが出来なくなったりする症状が現れます。更にカリウム不足が続くと、筋力の低下が深刻になる場合があります。上半身並びに体幹の筋力が低下し呼吸器系に影響を及ぼし、呼吸不全や心臓血管系の機能不全（例えば胸のしめつけ、動悸、呼吸器筋の麻痺、呼吸困難や深刻な不整脈）を引き起こす場合があります。

マグネシウムはカリウムに次いで重要な栄養素です。マグネシウムはカリウムの量より少ないですが、様々な生理学上の機能があります。体内の酵素を活性化させ、神経系の異常興奮を抑制し核酸の構造を保ち、タンパク質の合成に参加し、筋肉の収縮と体温を調整します。マグネシウムは細胞内外のカリウム、ナトリウム、カルシウムの移動を補助し、膜電位を保全します。
マグネシウム不足の兆候は情動障害、興奮、テタニー（強直）、反射の低下などです。通常、マグネシウムを経口で過剰摂取した場合、腎臓が抑制する為、高マグネシウム中毒になることはありません。ただし腎不全の場合、大量のマグネシウム摂取はマグネシウム中毒になり、腹痛、下痢、嘔吐、多飲症、疲労、脱力感、呼吸困難、チアノーゼ、瞳孔散大など重篤な状態になる事があります。

銅不足の兆候は、低色性小球性貧血、発育不良、骨疾患（関節リウマチ、増殖） 、骨折、腫瘍、肝脾腫（肝肥大）、心血管の損傷、冠動脈性心疾患、脳関門、白斑、女性不妊症や巻き毛などです。
銅の摂取量が人体必須量の100倍を超えると溶血性の貧血、壊死性肝炎などになります。銅の中毒症状は流涎症、吐き気、嘔吐、吐血、腹痛、下痢、急性胃腸炎、溶血、血、メレーナ、血尿、リソゾーム膜の破裂、黄疸、不整脈、肝組織の壊死、腎不全、尿毒症、ショック症状などです。過剰摂取は更に精神分裂病、てんかん、リウマチ性関節リウマチに加え、食道がん、胃がん、肝臓がん、肺がんなどの腫瘍の原因となります。銅の中毒症はジメルカプトプロパノール、フェロシアン化カリウムやチオ硫酸ナトリウムを使用した胃洗浄で治療します。

コバルトは人体における生体必須元素です。イオンの状態で存在します。コバルトは造血機能に重要な役割を果たすビタミン B12に含まれています。コバルトの人体一日摂取量はおおよそ5 - 45 mgです。過剰摂取は肺炎や心筋の損傷、甲状腺の損傷や赤血球の増加などを引き起こします。また、コバルト60は特定のがんの治療に効果を発揮します。

マンガン不足は人体の成長に影響を及ぼします。妊娠時にマンガンが不足していた場合、新生児が運動失調症になる可能性が高まります。また、子どもから青年期の人間にマンガンが不足した場合、成長を妨げ、骨格異常をもたらす場合があります。成人のマンガン不足は生殖機能障害につながる場合もあります。海にはマンガンを豊富にありマンガンは人体に重要な役割を持つ必須栄養素ですが、その必要量は非常に少なく、一般人は1日4-9 mg程度。腸によって吸収されます。
マンガンは血液の生成にも拘わりがあります。.造血メカニズムの中のマンガンの役割は体が銅を利用し、鉄の吸収・利用を助け、赤血球の成熟と放出を助けることです。

ヨウ素は必須微量栄養素です。成人の体内ヨウ素量は20から50ミリグラムで、70%から80%は喉の近くの甲状腺に蓄えられます。残りは筋肉やその他の組織の中にあります。ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成に必須な物質であり、不足した場合、甲状腺機能低下症を原因とする身体および精神の発達障害が引き起こされる場合があります。この病気は子供の成長に影響を与えますが、妊娠した女性が甲状腺腫を発病した場合、本人だけでなく胎児の成長に影響を及ぼします。例えば、生まれた子供に発症する低身長症、難聴、精神遅滞、[クレチン病]とう呼ばれる痴ほう症などです。 成人の甲状腺腫はエネルギー代謝の減少や粘液水腫、心拍数の低下、性機能の減退、顔の腫物、 言語障害、外観上の変化などの原因となります。
ヨウ素の成人日常摂取量はおおよそ100から200ミリグラムであり、1～10歳の子供の場合は60から110ミリグラムです。ヨウ素の過剰摂取はヨウ素甲状腺腫の原因となりますので摂取量はほどほどが良いと思われます。
ヨウ素を豊富に含む食品はケルプ（昆布）、海藻、海の魚、海水塩などの海産物などです。ヨウ素はほとんどの場所の土壌に存在している為、海藻のヨウ素濃度は海水の千倍以上あります。また土壌にある為、野菜や水からも摂取することができます。

ニッケルは命にとって必須の元素であり、野菜、穀物、海藻などから主に摂取する事が可能です。ニッケルは自然界に広く存在しますが、人体の中では非常に少ない量しか必要としません。通常、成人には約10mgのニッケルが存在し、一日の必須量は0.3mgです。ニッケル不足は糖尿病、 貧血、硬変、尿毒症、 腎不全や肝臓脂質並びにリン脂質の代謝異常を引き起こす場合があります。動物実験でニッケル不足は成長率の低下、死亡率の上昇、ヘマトクリット、ヘモグロビン、鉄分、骨内カルシウム、肝臓・髪・筋肉・骨・脳内の亜鉛量の低下が認められました。また、不妊症の原因の一つとされています。

フッ素は非金属元素です。フッ素の過剰摂取による中毒が引き起こす主な症状は、歯が黄色または黒くなる、Ｘ脚、Ｏ脚、脊柱後湾症、腕のこわばりなどです。歯のフッ素症は中程度の症状、骨のフッ素症はより重篤で勤務・生活能力が失われる場合があります。 フッ素症を発症した場合、治療法はなく、薬物療法で進行を遅らせる事しかできません。風土病としてのフッ素症は人々の健康に深刻な被害をもたらす病気で、その原因は飲料水、石炭利用、お茶の３種類があります。

モリブデンは必須微量栄養素の一つです。成人の体内総モリブデン量は約9ミリグラムで、人体の組織や体液の中に含まれ、得に肝臓と腎臓に存在します。人体のモリブデン必要量は非常に少ないですが、 モリブデン自体は様々な食品に含まれています。モリブデンは酵素の補欠基として、また触媒として対応する基質を酸化させる機能を持ちます。 モリブデン不足は通常の場合起こりませんが、長期の間、経口で栄養を取っていない患者が発症する場合があります。動物のモリブデン不足は体重、繁殖力の低下、寿命を縮める結果を引き起こします。

バナジウムは必須微量栄養素の一つで、人体の成長と保全に重要な役割を持ち、骨と歯の成長を加速させ、造血作用を促進し、免疫力を向上させます。適切な量のバナジウムは血糖, 血圧、脂質を低下させると共に心筋の伸縮性を向上し、心疾患を防止します。現在、研究者が最も注目しているのが血糖降下機能です。インシュリンはブドウ糖の血中濃度を下げる唯一のホルモンです。バナジウムで同じ役割をする事はできませんが、島細胞を守ることにより人体の血糖値を下げることができます。
バナジウムの摂取については通常の食事で１日必要量、約15ミリグラムを摂取する事が可能ですで、サプリメントは必要ありません。ですがバナジウム不足の方、糖尿病患者、コレステロール値の高い方や高血圧の方は食物から積極的に取る様にしましょう。 穀物、肉、鶏、家鴨、魚、キュウリ、貝類、キノコ、パセリはバナジウムを豊富に含みます。ただ、人工のバナジウム塩は十分な脂溶性が無くため吸収しにくく、また毒性が高い為、人々の健康に悪い影響を及ぼします。

スズは人間が生きて行く上で必須微量栄養素の一つであり、昔から人間が使って来た元素のひとつです。最近の研究では、スズがタンパク質と核酸の代謝を改善し、成長と形成を促す事がわかってきました。スズ不足は人体、特に子供の成長を遅らせ、深刻な場合は低身長症を引き起こします。

ケイ素は人体の必須ミネラルであり微量栄養素です。ケイ素が我々の体に柔軟性と弾性をもたらし、我々が皮膚と骨を持つ事を可能にしてくれます。ケイ素は子供の成長に関係すると共に、 老化を防ぐにあたって非常に重要な役割をもっています。その他にケイ素はコラーゲンの増加を促進することで美容効果を発揮します。ケイ素不足では乾燥肌、しわ、ひび割れが出来やくなったりします。加齢と共に各組織のケイ素含有量は徐々に減少していきますので、ケイ素含有量の減少度が老化の指標とでき、ヘルスケアやアンチエンジングに利用する事も出来ます。
人体に対するケイ素の害はケイ素の不足、または過剰なケイ素の摂取で起こります。ケイ素不足は骨粗しょう症、割れやすい爪などの症状を引き起こします。ですが過剰なケイ素摂取は非常に有害であり、例として、長期にわたる二酸化ケイ素を含む埃を吸引した場合に過剰なケイ素摂取となり、珪肺になる事があります。また、体内の過剰なケイ素は巣状糸球体腎炎になる場合があります。

ストロンチウムは骨の成長と形成を促進する必須微量栄養素です。長い間、人々は骨の成長に関して VD（訳注：ビタミンD？）とカルシウムのみに注目し、ストロンチウムの重要性を無視してきました。最新の研究では人体のストロンチウム不足は代謝異常、脱力感、 発汗、骨格の発育遅延さらには骨粗しょう症などを引き起こす事がわかってきました。
研究の結論として、不足 摂取 of 雑穀類、野菜などが不足している子供達がカルシウムサプリメントを盲目的に摂取しているとストロンチウム不足になる事がわかりました。ストロンチウム不足を解消する為に穀物の厚さ、どの種類の動物の肉と野菜が合うのか注意する必要があります。また医師の指示に従い、カルシウムのサプリメントを牛乳並びに動物の骨と一緒に摂取する方法があります。

ホウ素は果物や野菜の中に存在する微量栄養素の一つです。骨の健康を保ち、カルシウム、リン、マグネシウムの代謝を助ける働きがあります。ホウ素不足は、ビタミン C不足を招きます。またホウ素はテストステロン分泌を促進し、筋力を強化しますのでホウ素はアスリートにとって必須栄養素です。 また、脳機能を改善し反射能力を高めまることも出来ます。ほとんどの人はホウ素不足ではありませんが、老齢の方は適切な量のホウ素を摂取する必要があります。